【とほん読書ノート001】
常連のお客様がおすすめしてくれて、今更ながらアーノルド・ローベルのかえるくんとがまくんのシリーズを読みました。教科書にもよく載っているので、心温まるエピソードばかりかと思いきや、思いのほか自由奔放なかえるくんとがまくん。大人も読むとクセになります。
『ふたりはいつも』の「そりあそび」ではベッドのなかでぬくぬくと眠っていたいがまくんを無理やりそり遊びに連れ出すかえるくん。がまくんが後ろに乗っていると思い込んでいる間は絶好調のかえるくんですが、いないことに気づいたとたんアチコチぶつかって散々な目に。最後はやっぱりベッドが一番だとそそくさと帰ってしまい話はおしまい。
かえるくんの運転技術は変わらないのに、がまくんがいるいないという気持ちの問題に左右されるところが深いものの、良い話として回収せずにかえるくんは寝てしまうので笑話として気軽に楽しめます。
『ふたりはともだち』に収録されている「すいえい」ではかえるくんとがまくんが川で水遊びをするのですが、がまくんが水着が似合わないから見られたくないと、こっそり着替えて水の中に入ります。その噂を聞いて川辺の生き物たちががまくんが水から上がるのをみんなで待ち、がまくんは寒さに凍えながらも恥ずかしくて水の中からでられない。そして、最後は寒さに我慢できなくなったがまくんが水の中からでてきて、全員がおお笑いします。
「きみは なにを 見て わらってるんだい? かえるくん。」がまくんが いいました。
「きみさ、がまくん。」かえるくんが いいました。
「だって、みずぎすがたの きみは ほんとに おかしな かっこうなんだもの。」「そうに きまってるじゃないか。」がまくんが いいました。
それから がまくんは、
じぶんの きものを もって、
いえへ かえって しまいました。
友達の面白い格好を見て笑い、笑われたほうはむっとして帰ってしまう。でも、きっとふたりはまた一緒に仲良く遊ぶのでしょう。変に気を使い合うことのなく自然に感情を向けあう友人関係。子供の頃は僕のそうだなったと、ちょっと懐かしくなりました。
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